こんにちは!株式会社GMTradings人事部Wです。
今回も、前回に引き続き弊社取締役のインタビューです。
Wが今の部署に異動になる際、面談をしてくださった方なのですが、今回のインタビューで思い出したことがありました。
会社を一つの国として捉えたとき、取締役は丞相(注)のような人だなあ…と思ったことです。取締役の、切れ味抜群な鋭い視点で語られる弊社の魅力を、ぜひ最後までお読みください。
注)丞相(じょうしょう)…古代中国の戦国時代以降のいくつかの王朝で、君主を補佐した最高位の官吏
◎プロフィール
名 前:音無紀彦
役 職:取締役/経営管理本部 本部長
経 歴:都市銀行に10年勤務後、中堅のシステム開発会社2社で合計8年役員を経験した後、糸井社長と合流し、弊社の事業に参画。入社時は、物流に関しては本当にズブの素人でした。
音無取締役ってこんな人(人事部Wの独断と偏見)
:株式会社GMTradingsの諸葛亮・パッと見は菩薩・実際は長船秀光(おさふねひでみつ/日本刀の最上大業物の一振り/超切れ者)
W「本日は、お忙しい中インタビューにご協力いただきましてありがとうございます。前回の宍戸取締役に続き今回は音無取締役に、転職活動中の方や、弊社と一緒にお仕事をしてくださる協力会社の皆様に向けて、弊社の魅力を語っていただけたらと思います。どうぞよろしくお願いいたします。」
◆音無取締役は荷主様の業務改善サポートの一環としてシステム開発部門を担当されていますが、同業他社と比較したときの弊社のシステム開発の強みは何でしょうか。
システム開発の話に入る前に、インターネット・スマホ・SNSの普及につれ、ビジネスの展開も加速度的に早くなっているのは皆さんも日々感じているところだと思います。配送においても例外なく、荷主様の要望も日々変化していきます。しかしながら、物流業界は荷主側の力が強かったこともあり、大手の一部の配送会社を除き、実際に配送を担っている会社は荷主が設定したローカルルールに合わせたサービスを提供し続けた結果、標準化(日本人の苦手な部分でもありますが)がされず、結果として業界全体のIT化や効率化が遅れました。未だに主体的に紙の伝票やFAXのやり取りをしているのはこの業界くらいではないでしょうか。
システムに関連しての弊社の強みは2つあります。
1)コンサル業務で培われた現場分析能力
2)システムの自社開発能力
我々は物流システム開発において、以下の2点を重視しています。
1.スピード感
2.荷主の要望に忠実に作りすぎないこと
前述の通り、ビジネス展開のスピードが早くなるに連れ、顧客である荷主の要望も日々変わります。開発に3ヶ月かかるシステムでは、稼働したときには既にその業務はなくなっているなんてことも、今の時代では普通に起こりうるわけです。なので、できるだけ短納期であることが物流システム開発における正義となります。
短納期化へのアプローチはいくつかありますが、我々はシンプルに、荷主の要望に合わせつつも、システム化の範囲を減らすことで納期を短縮します。これは前述の2の記載と関連しますが、荷主の要望に忠実に開発すると、年に数回しか使用しない、EXCEL管理で充分な業務までシステム化されてしまいます。
我々は開発の前に実際に荷主の業務を当社社員が実施(実際に社長自らが顧客のパートさんにまぎれてピッキングとかしたりしていますが(笑))し、システム化により効率を図るべき業務とシステム化しなくても良い業務を分別します。この作業はシステム会社も荷主の情報システム部門の担当者もやらないし、やろうとしても出来ないことだったりします。その上で開発を行います。結果として短納期が実現します。
実際に当社のエアコン業務で使用しているシステムは1週間でプロトタイプが完成し、2週間後には本稼働していました。これは、コンサル(分析)業務、実務経験、短納期を重視した自社システム開発の3つがワンストップにならないと実現できません。
また、開発が早い分、現場はシステム導入前に充分なテスト時間が与えられ、作られたシステムの不具合(使い勝手が悪い部分)を早く知ることが出来ます。物流業界あるあるなのですが、実務担当者の意見が全くヒアリングされないまま、ある日新システムが導入されたなんて話も普通にあります。現場作業する人はやってられない話だと思いますが…。
また、我々は些細な不具合でも直ぐに修正します。ボタンの表示順が実際の使用頻度と合っていない、スマホ画面上の位置で押しづらい等々、要望があれば、即日修正対応し、基本翌日にバージョンアップします。結果として、現場がストレスなく使ってもらえるシステムを早く提供できます。これも自社開発の強みです。
◆コンサルティングの視点をもった実務会社だからこそできる顧客向けシステム開発について、さらに掘り下げてお伺いできますか。
1つ目の質問の強みに関連するのですが、まず一般的なコンサル会社は、ユーザーの問題点を机上でいろいろ議論して事務フローを整理して要件定義を行い、それに従ってシステム開発会社が要件定義されたシステムを設計し、開発し、ユーザーテストを行うという流れがほとんどで、要件定義をするコンサル会社もシステム設計者や開発者も現場の実務をあまり知らない(知っていても実際にはやったことがない)ことがほとんどです。弊社は佐川のドライバー出身で現場の実務を熟知している社長が立ち上げたコンサルティング会社が母体になっているわけですから、現場の実務を正しく知っています。
実務を知っているから、お客様のニーズに合わせて最適な事務フローの提案が可能となります。その提案のシステム化を考える際、より現場のニーズに合わせた要件定義を行うことで、システム開発者により具体的な指示が出すことができるので、机上で議論したもののフロー化と比較して、より高いクオリティのシステムを開発することが可能となります。
作ったシステムも作りっぱなしにしません。システムは生き物ですから、使っていくうちに現場からさらに改善点が出てくるのが当たり前です。修正対応やそのスピード感も重視しています。前述の通り、軽微なバージョンアップも即日対応します。例えば弊社の配送事業部が使用しているシステムはすでに70回以上のバージョンアップを重ねて今も進化しています。お客様の業務と一緒に成長するシステム開発をこれからも行っていきたいですね。
◆少し話は脱線しますが、音無取締役はシステム開発の部門と、弊社の経営管理本部の本部長というポジションでもありますよね。経営管理本部に新しくできる部署『保険販売部』について、紹介していただけますか?
弊社では第11期から、大手ドラッグストア様向けのラッピングEV車両の販売、リース管理事業を開始しました。その事業を進めていく中で、お客様の負担を軽減し、ワンストップサービスを提供できるように、保険の分野も弊社で担うことにした…というのが、保険販売部を新設した理由です。
この部署では現役の保険のプロフェッショナルが業務にあたりますので、不運にも車両、商品事故を発生させてしまいトラブルに見舞われた際、配送会社側の視点で保険事故対応ができるという強みがあります。
◆ありがとうございました。それでは次に、音無取締役の思い描くこれからのGMTradingsについて、展望をお聞かせください。
短期的には、八潮から草加にセンターを移したことにより、各事業の規模の拡大と、付随して配送の効率化・マルチ化が加速していくと思います。
現在、お陰様で弊社の評判を聞きつけた新規の荷主様が増え、仕事の幅もどんどん広がっていっています。先に話した新設部署も業務拡大の一つですね。元々は大手ドラッグストア様のECサイトのラストワンマイル配送の仕組みづくりのコンサルティングから関わり始めたのですが、現在はさらに実務を担うようになりました。
荷主様が増えることで、仕事の拡大化や平準化も実現されていきます。
長期的には、宅配クライシス、2024年問題と呼ばれる物流業界における様々な問題に対する取り組みについての対策です。
我々の配送業務の柱となっている大型家電の配送設置業務は、今までの非効率なやり方(荷主が配送車両を独自で手配しており、繁忙期は車両を荷主各社で取り合い、閑散期には荷量が減り発注が原価割れとなり、結果として配送会社が離脱を繰り返す)では、作業員の高齢化(若手が育たない)や法令上の残業時間の制限による配送可能件数の減少にさらされ、本当に近い将来、家電の購入者の希望日や希望時間帯で配送するサービスは死滅します。冷蔵庫が壊れてしまったので直ぐに近くの量販店に買いに行ったが、配送可能日は2週間後 これがスタンダードになります。
この問題を解決するためには、配送の生産性を上げることにより配送員の賃金水準を上げ、若い人たちにも魅力ある仕事としていくことに尽きるのですが、我々はこの問題を以下の視点で解決していきます。
1)共同配送化
商品の配送は季節要因があり、どうしても繁忙期と閑散期が存在します。
第一ステップとして、同一業種での共同配送化を進めることにより、閑散期の配送効率を上げていきます。家電配送の共同配送がこれに当たります。
次のステップとして、繁忙期と閑散期が異なる異業種の配送を共同配送化することにより、年間の荷物の波動を平準化します。
2)共同プラットホームとしての自社輸配送管理システム(TMS)の提供・活用
1)の共同配送化を実現するために、荷主様からの出荷情報について、統一のTMSシステムにて情報管理し、配車計画を立てていく必要があります。これはその荷主の配送に関わるすべての配送会社にて活用する必要があるのですが、現存のTMSはほぼ全て自社内での利用が前提となっているため、荷主の出荷情報を元請け企業、一次下請、・・・配送会社、各社で別々のシステムで管理しています。当然システム化に対応できない企業では紙ベースでの作業になってしまい、これが配送外での生産性の低下に繋がっています。
我々が開発中(自社では既に使っていますが)のシステムは、同じシステム内でセキュリティに配慮しながら我々が割り振った配送情報を協力会社側で配車管理することが可能です。1)の推進で当社が元請企業としての力をつけることにより、2)のシステムが配送会社に共同利用され、ドライバーや事務員の配送外の事務作業が激減し、1)2)の相乗効果により配送の生産性が大幅に改善し、結果として配送員の賃金が上がり、副次作用として配送品質も改善すると考えております。
また、共同配送の実現は、配送料の問題にも関わってきますので、エンドユーザーであるお客様の負担を減らすことにも繋がると思います。伝票という紙文化はこれからもしばらく続くでしょうが、それをどれだけシステムを用いて効率化するか、コスト削減を目指すかがこれからの物流業界には求められていると考えています。
弊社は、それらに対するコンサルティング力と実行力のある会社であると思っています。『できない』ことを『できる』ように仕組みを変えて対応していく会社が、これからも成長していくことができる会社だと思っています。
◆それでは最後の質問です。このブログを読んでいる方へメッセージをお願いします。
弊社の一番の根幹にあるものは、お客様に『喜ばれるために』という理念です。「クオリティは低いけど、安いからしょうがないよね」ではなく、「ハイクオリティだよね。ちょっと高いけど、でも納得」を目指しています。イメージとしては五つ星ホテルのような「高くてもそのサービスを受けたい」「このクオリティならば当然の価格帯」と思ってもらえるような仕事です。
弊社は物流に対するコンサルティング力、配送事業・3PL事業といった実務と、それに合ったシステム開発に関する深い知見を持っている相乗効果の高い会社であるという自負があります。荷主様から実現が困難な厳しい要件を突き付けられても、「仕方ないよね」で社員や協力会社に負担を押し付けるのではなく「じゃあ、こうしたらいいのでは?」と荷主様に対して逆に改善提案し、今までも実際に効率化を実現してきました。
提案のための知識と改善できるだけの技術が我々にはあると自負しているから、荷主様の都合による非効率な業務の影響が弊社のスタッフや協力会社に波及しないように、その負担を極力減らす取り組みをこれからも続けていきます。
そして弊社で一生懸命働いているスタッフ・協力会社に対して真っ当な賃金を支払うためにも、弊社は決して安売りはしません。その代わり、お客様が十二分に満足する品質の仕事を提供することを目指しているし、一緒に働いてくれる人たちにはそういう高い視点をもって仕事に取り組んでほしいと考えています。
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